【ビックアップ・マッチレビュー】ヘタフェ戦
10枚のイエローカードが飛び交った戦いは、マドリーに軍配が上がった。
「これは勝ち点を分け合う結果になるかもしれない」というところでのPK獲得。
結局はその1点どまりで辛勝。試合内容よりも結果が重要な時期なため、勝ったことが何よりも最大の収穫。
目立ちたいメンディ
後半33分のシーン。右サイドを駆け上がり、ボックス内に侵入してくるカルバハルが、相手DFの足に引っかかりPKを獲得した。
もちろん、この場面での主役はカルバハルだ。ファールを誘いに行ったプレーであったい、得点が生まれる源となったのだから、それは当然だ。
しかし、負けじと主役に立候補した男がいた。
フェルランド・メンディ(25歳)
彼がやらかした。
カルバハルとは対照的に左サイドを駆け上がっていたメンディ。少し上がりすぎたと思ったのか、カルバハルがエンドライン付近まで達したときに、メンディは急遽、方向転換を試みる。
それがまさかの失敗する。(「方向転換の失敗」ってなんだよ)
その映像がコチラ。
多くの人は、カルバハルに夢中で、メンディが何も無い所でカルバハルと同じタイミングで転んでることに気づかない。
— Z”z (@ynadamas5) 2020年7月2日
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あの強靭なフィジカルはなんだったんだと思わせるほどのすってんころりん。
しかも、転倒するタイミングがカルバハルとシンクロニシティ。
台本があるかのような寸劇。
某スペイン強豪クラブの監督の「マドリーはコケる」という発言を受け、事前にメンディがコケてくれたのかもしれない。
もちろん、この時の大衆の目線の先にはカルバハルがいたことだろう。そして、PK獲得に喜んでいたことだろう。
かげで転んでいたことが試合後に発覚し、笑いを誘う。最高のエンターテイナーだ。
くれぐれも怪我だけはするなよ...
大取はマリアーノに決定
後半45分、5枚目の交代カードとして、ベンゼマに代わって投入されたマリアーノ。
アディショナルタイムは4分の表示。
「マリアーノに4分は十分すぎる。」と誰もが思っただろう。
なんといたって、後半戦のベルナベウで行われたクラシコ。
後半46分に同じくベンゼマに代わって入って、1分後には「ゴールゲッター」になっていた。
そこから、「終了間際に入った(←ここ重要)マリアーノは1分あれば1点取る」という謎すぎる見解がマドリディスタの中では誕生していた。
その見解に則れば、『4分』がマリアーノにとって十分すぎる時間というのも分からなくはない(分かるな)
結果的に試合はラモスのPKのみの1-0で終了しているので、マリアーノが得点を決めたかどうかは言わずもがなだ。
では、マリアーノは、与えられた4分間でなにをしたのか。
今日のマリアーノ
— Z”z (@ynadamas5) 2020年7月2日
90分に入る。FKの壁になって、イエロー貰う。試合終わる。帰る。
以上。
理由はよくわからないが、今日のマリアーノは、よく目立っていた。「先生!僕こういうこともできます」と言って媚を売るような小学生のように、ジダンにアピールしたかったのかもしれない。
カピタン2桁得点に王手
少しくらい真面目な話をして終わろう。
前線からの怒涛のプレスに苦戦し、あまり見せ場を作ることができなかったマドリー。
ヘタフェの守護神ソリアは、(一概には言えないが)リーガの中で4番目に成績のいいゴールキーパー。ヘタフェが現在の順位(6位)にいるのも納得できる。
状況は後半になっても変わることなく、両チームともフィニッシュまで持っていけない均衡する時間が続いていた。
そんな中で、カルバハルのハードワークによって回ってきたPKのチャンス。
クリスティアーノが去ってからは、第一PKキッカーを務めているカピタンは、いつものごとく相手GKの目線だけを見て、ボールをゴール隅に流し込み、先制。
この得点は、ラモスの今季9点目。すでに自己最多得点記録は大幅に更新しており、FW級の2桁得点まであと『1』。
チャンピオンズリーグでの成績を加味すると、今季はすでに11ゴール決めている。
チーム得点王の背中を追いかける選手が、センターバックを本職としているチームが他にあろうか。
終幕
難敵ぞろいのリーガで6連勝を達成。そして3試合連続クリーンシート。再開後のチーム成績は、今季最高。残りの5試合で勝ち点15を獲得するのは難しいタスクだが、ここまで来れたチームなら、それも不可能ではない。これからも勝ち続けていただきたい。
次節は、7/5日本時間午後21:00 KO vs アスレティック・ビルバオ