第10話 出場機会に恵まれない選手へ思うこと[第1弾]
「民衆の歌」をご存知でしょうか。ミュージカル『レミゼラブル』の劇中歌であり、戦う者たちを奮わせるような熱い歌なのですが、このご時世、サッカーという一番の楽しみ、娯楽が奪われた中で、怠惰な生活を送っている方にはぜひ聞いてもらいたい歌の1つです。
僕は、毎晩筋力トレーニングを続けていますが、これを聞きながら励むと、より効果がありそうな気はしてます。(実際は知りませんw)
どうでもいい余談から入りましたが、今回は題名にある通り、ジダン政権下でなかなか出場機会を得られていないメンバーに対して思うことをズラーッと綴っていこうと思います。
個人的な主観が入るので、反論なども生まれてくるとは思いますが、個人の意見として捉えていただけたら幸いです。
目次
マリアーノ・ディアス
【今季のデータ】出場試合数:4試合 得点数:1 アシスト:0
とにかく彼はかわいそうな選手。理由は2点ほど。
1つ目は、成績に伴わない出場機会の少なさ。
4試合に出場したといっても、いずれも試合終了間際の途中出場のため、リーガでの総時間数は、たったの22分。もはや控えではなく、控えの控えのような立ち位置といってもいいのかもしれない。ただこのような立ち位置に僕はあまり納得いかない。
16/17デポルティーボ戦での試合終了間際の同点ヘッド。
18/19CLローマ戦、クリスティアーノの背番号7を蘇らせるようなゴラッソ。
19/20クラシコの投入直後のダメ押し弾。
彼の決定力は並大抵ではないと思う。
マドリーに来て、毎シーズン出場試合数が少ない割には、それなりの結果を残してきている。
なぜここまで出場機会に恵まれていないのかが謎ではあるが、もっとプレー時間を確保できれば、マドリディスタのハートをつかむこともできる選手だと思う。
2つ目は、背番号7時代の隠滅。
クリスティアーノが抜けた18/19に着用した背番号7。背番号変更当初は、「リスペクトがない」「7番に相応しいのはアセンシオだけ」と批判を浴びた。(まぁ確かにマドリーに復帰してすぐ7番は如何なものかとは思った笑)
しかし今季アザール加入に伴い、1年で7番は剥奪された。
「剥奪」と書いたところが重要。マリアーノが自らアザールに7番を渡したわけではない。クラブがマリアーノに対して、アザールに7番を譲れと指示したのだそう。面白い話ではあるが、「かわいそう」という感情が勝ってしまう。
そして、このツイートを見てほしい。
マリアーノ無かったことにされてて草 https://t.co/gE7VV2qHX1
— FM Madridista🏆×13 (@fm2380131) 2019年8月10日
引用リツイート主の言うとおりである。
おそらくマドリーの背番号7の伝統をイラストにしたものだとは思うが、こういうところにマリアーノが描かれることはない。
18/19はマドリーにとってみれば黒歴史だが、マリアーノの個人で見ても、黒歴史なのかもしれない(笑)
ルカ・ヨビッチ
【今季のデータ】出場試合数19(先発:5)試合 得点数:2 アシスト数:1
昨シーズン、フランクフルトで大活躍し、多くの注目を集めながらマドリーへの移籍を決断。マリアーノの存在があるにもかかわらず、意地でもベンゼマの控えを探し回ったマドリーフロントのファイナルアンサーがこの男だった。
昨シーズンはブンデスリーガで32試合に出場し、17ゴール。ヨーロッパリーグに14試合出場して、10ゴール。シーズン前は、圧巻の成績に伴い、並大抵ではないマドリディスタの期待値があったものの、ここまでのところ不完全燃焼に終わっている。
彼もかわいそうなプレイヤーだ。それはなんといってもオフサイド。
ヴィニシウスの涙付きのゴラッソが決まったオサスナ戦に、幻の初ゴールが生まれた。しかも、それなりにかっこいいゴールパフォーマンスと、チームメイトの祝福もあったため、大変お恥ずかしことをしたのに、それでも貫くポーカーフェイス。その後、ロドリゴがデビュー弾を決めたため、とても苦い思い出になったかもしれない。
更に残酷なのは、これが1回で終わらなかったことである。
オサスナ戦の1か月後のレガネス戦でまたオフサイドを犯す。このときは、オフサイドの自覚があったのか、「(オフサイド)だろうな」みたいなすまし顔をしていたのが少し面白い(笑)。それでも、試合終了間際に正真正銘のデビュー弾を沈めている。ヨビッチの異次元の体幹を使った技ありヘッド。
ここから、上昇気流に乗れるかと思いきや、アウェイでのバレンシア戦で再発。しかも1点ビハインドで迎えた後半48分。『これが決まらなかったら負け。』という場面でのオフサイド。その試合を、僕はリアルタイムで見ていなかったので、マドリディスタの当時の反応は知らないが、相当険悪なムードになったことだろう。
これからは、ヨビッチがゴールを決めても、「オフサイドかもしれない」と思った方が心の持ちようとしていいかもしれない(笑)。
そんな彼だが、ベンゼマの後継者としてマドリーに入団したものの、スペインサッカーに手こずっているのか、なかなかゴールを量産できていない。来季はレンタルの噂も耳にするが、もしもレンタルで出すとしたら、来季のベンゼマの控えのポジションは誰が務めるのだろうか。
将来的にはエンバペもマドリーに来ることを想定すると、CFのスタメン争いが楽しみである。
ブラヒム・ディアス
【今季のデータ】出場試合数:4試合 得点数:0 アシスト数:0
身長が170㎝と比較的小柄であり、童顔であるため、可愛い要素の多いブラヒムだが、可愛いだけでは通用しないのはサッカー界だけ。
ブラヒムは、地元のマラガでユース時代を過ごし、彼のポテンシャルの高さを見つけた当時のマラガの監督がマンチェスター・シティの監督に就任するのを機に、ブラヒムもシティのユースに移籍。そしてそのままトップチーム昇格を果たした。しかし、レロイ・サネやスターリングなどといった分厚い層に阻まれて出場機会を得られずに、昨冬マドリーへ移籍。
彼の持ち味はスピードのある重心の低いドリブルで、「マラガのメッシ」という呼び名をもつほどのテクニシャンではあるものの、マドリーでも出場機会がほぼない。
実際に、1歳下のヴィニシウスや2歳下のロドリゴと能力的な差異はなくても、ポジション争いでは確実に序列は下。また、アザールが復帰すれば、今まで左ウィングでプレーしていたヴィニシウスも出場機会が減る可能性も大いにある。
個人的な思いとしては、ローンではなく完全移籍で新たな新天地でプレーをした方が、まだ20歳のブラヒムにとっても輝けると思っている。#ブラヒムに幸あれ
ハメス・ロドリゲス
【今季のデータ】出場試合数:9(先発5)試合 得点数:1 アシスト数:1
※第5話でハメスについては存分に語ったので、まずはこちらをお読みください。
バイエルンとのローン契約満了後、新たな新天地を探すもなかなか見つからず、マドリー復帰という形になったハメス。
レンタル移籍前の16/17に、ジダンのもと相当な試合数をベンチで過ごしたため、本人だけでなく報道記者、マドリディスタの多くが、今シーズンも控えになるだろうと予測していただろう。
CL3連覇トリオのクロース・モドリッチ・カゼミロに加え、今季大活躍のバルベルデの存在で、ハメスレベルの選手がちっぽけに見えてくる。こんなチームはどこにもないし、錚々真似できることではない。
左足で正確無比なクロスを上げられるのは、ハメスのほかに、マルセロ、ベイルのみだ。だが、ベイルは今季調子が悪いために、出場機会があっても本来の良さが見られない。つまりは、攻撃的なプレイヤーで、左サイドからの超高質クロスを上げられるのは今のマドリーにはハメスしかいない。
たしかに走力はB級だし、守備も疎かに済ませてしまうくせはある。そこがジダンが使わない最大の原因だとは思うが、彼がベンチで苦しそうな顔をしているのを見たくないので、僕は移籍をオススメしたい。
(第5話で語りに語ったので新たなトークテーマがないので短めになってしまいました。)
最後に
いかがだったでしょうか。今回は、FWとMFの4人について綴りました。次回は今回紹介できなかったMFとDFについて書こうと思うので、よかったら読んでください。
P.S.
いくら技術があっても監督の好みに合わなければ、使ってもらえない残酷なサッカー界で、生き残るための努力を知っているからこそ、現状マドリーで試合に出られていなくても応援したくなりますよね(上から目線でごめんなさい)。